共生社会をめざして 人物で読むジェンダー史

江刺昭子

2,200円 +税

ISBN: 978-4-7554-0357-6        2025年02月14日発行

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女の視座をメディアに据え、政治を変革し、家族の形を問い返し、性差別を許さない。男社会の岩盤をうがつ女たち。


共生社会をめざして 人物で読むジェンダー史
目次

Ⅰ メディアに生きる 9 

草分けの時代から変わらぬ女性蔑視 10
自由奔放に非日常を生きた女性記者、中平文子という生き方 14 
日中戦争前夜、竹中繁が訴えた「相互理解」の大切さ  18
『婦人公論』初の女性編集長 三枝佐枝子の仕事 27 
女性誌を変革した『ミセス』休刊の理由 31
画期的な告発の書 『マスコミ・セクハラ白書』 35

Ⅱ  表現者の自由を拓く 39

「閨秀」から「女流」「女性」へ 40
階級やジャンル越える女性作家  44 
武道館を埋めた作家がいた 48
「倒錯的」「邪道」と蔑まれても 駆け抜けた役者一代 53
幸田文の「崩れ」に学ぶ、大災害の続く今こそ 57
太平洋戦争開戦を受け入れた表現者たち 61
「横浜の大空襲」を記録する小野静枝 65
戦中・戦後の生活者の記録  71
資料は「生きた」歴史 軽視・廃棄を恐れる 76
散逸が懸念される女性史関係資料、保存・公開の動き相次ぐ 80
 

Ⅲ 政治に挑む  87

明治150年、「明治の精神」願い下げに  88
「平成」最初の参院選で女性22人当選 92 
「政治参加は女子の本分に背く」のか  96
政権の看板だった「女性活躍」どこへ? 100
ツイッターデモと「声なき声の会」が示すこと 104
『市川房枝の国会全発言集』を読む 109
国際女性デーの国連議決を無視し続けた政府 114
民主主義と呼べぬ日本の政治 118


Ⅳ章 家族の形を問う 123

「産めよ死ねよ」への回帰か 124
ノーベル賞、「内助の功」は必要か 128
「昭恵夫人」は責任回避の呼称か 132
選択的夫婦別姓、未だ男性司法の壁厚く 136
「わたしだけの名」を奪う制度は終わりに 140
高齢者介護の担い手は今も女 144
昔「結婚報国」、今「官製婚活」 148      
非正規シングル女性の窮状 152
関東大震災で犠牲になった沖縄の女工  156
コロナ禍を家事協働の契機に 162

Ⅴ 性差別、性被害を告発する 167

目をおおう米軍による沖縄の性被害 168
忘れ去られた「国家売春」の過去 173
父系主義の国籍法改正に尽力した土井たか子 177
スポーツ選手は増えたが指導者は?  181
看護師を再び使い捨てにするな 186
ケアマネジャー、訪問介護の現場を語る 190
ジェンダーギャップは過去最低 195
男女共同参画センター、予算減や廃止で存立の危機 200

Ⅵ 悼詞  205

加納実紀代、被害と加害の二重性から逃げず  206
山口美代子、ライフワークは「資料と女性」 211 
関千枝子、書き続け訴え続けたジャーナリスト 219
鹿島光代、女性史学に不抜の基礎を築く 230
高良留美子、天才的な書き手、多面的な活躍  238
折井美耶子、 地域女性史のリーダ―として 247

女性史とわたし―あとがきに代えて 256