女たちの60年安保 1959.1-1960.12 (銃後史ノート戦後篇5)

女たちの現在を問う会・編

1,900円 +税

ISBN: 978-4-7554-0016-2        1990年6月15日発行

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『銃後史ノート戦後篇』刊行にあたって

 戦争も遠くなった気がします。敗戦から四〇年以上の年月が過ぎて、その間の物質的な変化、とくに六〇年代以降の変化はめざましく、私たちの記憶も、そのあたりからしかたどりにくくなってきました。
 しかし、この変化は、他国——第三世界への経済侵略を伴って成し遂げられたものであることを忘れてはならないと思うのです。その侵略は、より複雑な、みえにくい形をとっていますが、日本人である限り、私たち女も直接、間接にそれを支えてきているはずです。
 この十年間、十五年戦争下の「銃後史」をたどってきた私たちには、この日本の戦後史における女たちのありようが、あの時代の「銃後の女」と重なって映ります。
 戦後四〇年、私たちは何を得、何を失ってきたのでしょうか。それを明らかにする中で、他者、あるいは他国の人々を踏みつけにしない私たちの解放の方向を、今後ともさぐり続けたいと思います。

  一九八六年八月  女たちの現在を問う会

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銃後史ノート戦後篇⑤ 1959.1〜1960.12
特集・女たちの60年安保

年表
編集まえがき・二人の美智子
安保闘争に参加した女たち——アンケート一七九人の声から  佐藤まや
主婦たちの安保——参加しなかった主婦一〇〇人の声から  山辺恵巳子
アンケート
安保闘争とわたし  保坂純子/清水文恵/宇佐美ミサ子/奥田昌子/柴田直子/磯貝真子/水本妙子/勝又千代子/戸石あや子/鷲尾千菊/北村小夜/石村滋子/中村恭子
『ニューヨークタイムズ』にみる安保  訳・構成 三好範子
安保闘争の立役者——全学連結成から六〇年安保まで  山本美和
女子学生の安保闘争 加藤克子/木田宏子/寺倉郁子/松本幸子/皆川珂奈江
学生のみた安保  黒岩秩子/中筋弘子/山本千恵/山下智恵子/しま・ようこ
黒いジェット機の意味するもの  桑田喜美子
安保改定と沖縄  阿武奈美子
琉球国からの留学生  知念悦子 聞き手/阿武奈美子
「人権を守る婦人協議会」について——渡辺道子・奥沢喜久栄さんに聞く 聞き手/加納・山辺・小園
ミッチーブームをめぐって——茶の間に侵入する天皇制  加納実紀代
ミーハーの“ミッチーブーム”  高橋幸子
美智子様にだって生理があるんだ!  川名はつ子
「お妃班」記者として  関千枝子
家事は誰の仕事か  小原解子
いま思うこと  峪二葉
家庭科教師として  半田たつ子
夕焼け空にコウモリが群れて  渡辺妙美
デモをよそに生きる  川田文子
ヤマの火を守れ——三池炭鉱のなかの女たち  色川奈緒
『サークル村』初期と私  河野信子
筑豊を知って  徳山令子
海が死んだ——浮上する水俣病問題  福嶋広美
金も出し口も出す教育——社会教育法改正  小園優子
「北」をめざす在日朝鮮人  宇野淑子
東京地方裁判所統計係時代  安藤八千代
小田原市職員としてⅣ  市川泰子
あとがき