「銃後史」をあるく
戦争は女を〈解放〉したか
戦前・戦後をつらぬく被害と加害
男は前線/女は銃後。女たちもまた戦争に加担したということを初めて論証した女性史研究者・加納実紀代の決定版論集。
もくじ
1章:わたしのヒロシマ 009
首のある死体と首のない死体 010
〔八月六日〕とカネヘン景気 016
被害者責任 027
書評 ヒロシマをひらく――〈迂回〉を経ての継承
平井和子『「ヒロシマ以後」の広島に生まれて』、東琢磨『ヒロシマ独立論』 030
3・11を心に刻んで 035
立つ瀬がない――被害/加害の二重性を超える 038
2章 「銃後史」をあるく 061
勝ち戦と女の加害性 062
小泉郁子と「帝国のフェミニズム」 066
プラクティカルなファシズム
――自力更生運動下の「家の光」がもたらしたもの 112
「大東亜共栄圏」の女たち
――『写真週報』に見るジェンダー 135
殉国と黒髪
――「サイパン玉砕」神話の背景 156
一八歳の君たちへ
――満州開拓団の悲劇 175
特攻隊員の「犬の皮」の帽子 177
映評 封印された負の歴史を掘り起こす
楠山忠之監督「陸軍登戸研究所」 186
「兵隊バアサン」の戦後 190
「国家の法を超えた単独者の澄明
――映画「ゆきゆきて神軍」によせて 194
3章 「大日本帝国」崩壊とジェンダー 205
〈復員兵〉と〈未亡人〉のいる風景 206
「混血児」問題と単一民族神話の生成 227
書評 煙にまかれてきた日本占領
テレーズ・スヴォボダ著、奥田暁子訳『占領期の日本 ある米軍憲兵隊員の証言』283
「日本人妻」という問題
――韓国家父長制との関連で 287
手の温かさを忘れない 301
「中国残留婦人」とジェンダー 304
映評 引き裂かれる前線と銃後—「ドイツ・青ざめた母」に寄せて
ヘルマ・サンダース=ブラームス監督「ドイツ・青ざめた母」 309
「帝国の慰安婦」と「帝国の母」と 314
書評 真に恐ろしい書——小市民的平安を根底から打ち崩す
石牟礼道子『草のことづて』 333
書評 「目に一丁字もない人間」の力
石牟礼道子『西南の役伝説』 336
書評 魂の依り所=樹——九州・西海の島々に古樹を訪ねる
石牟礼道子「常世の樹」 341
4章 リブをひらく 345
交錯する性・階級・民族
——森崎和江の〈私〉さがし 346
書評 女世界の豊かさ――産小屋とは開かれた生に向かっての女の再生
森崎和江『産小屋日記』 381
母性ファシズムの風景
——個人に回収されない自立へ 384
書評 穏やかな中に熾烈な緊張感——執念と鋭い感性が時間のベールを一枚一枚ひきはがす
橋本憲三・堀場清子「わが高群逸枝」 410
〈反差別〉の地平がひらくもの
——飯島愛子『〈侵略=差別〉の彼方へ―あるフェミニストの半生』解説 414
書評 密度高い生涯に共感——伊藤野枝の思想形成過程を追う
井手文子『自由 それは私自身』 442
総参入論
——戦争(ルビ・リスキー・ビジネス)と女性解放 445
男女共同参画小説を読む
——「岬美由紀」、「音道貴子」を中心に 468
あとがき 501
戦前・戦後をつらぬく被害と加害
男は前線/女は銃後。女たちもまた戦争に加担したということを初めて論証した女性史研究者・加納実紀代の決定版論集。
もくじ
1章:わたしのヒロシマ 009
首のある死体と首のない死体 010
〔八月六日〕とカネヘン景気 016
被害者責任 027
書評 ヒロシマをひらく――〈迂回〉を経ての継承
平井和子『「ヒロシマ以後」の広島に生まれて』、東琢磨『ヒロシマ独立論』 030
3・11を心に刻んで 035
立つ瀬がない――被害/加害の二重性を超える 038
2章 「銃後史」をあるく 061
勝ち戦と女の加害性 062
小泉郁子と「帝国のフェミニズム」 066
プラクティカルなファシズム
――自力更生運動下の「家の光」がもたらしたもの 112
「大東亜共栄圏」の女たち
――『写真週報』に見るジェンダー 135
殉国と黒髪
――「サイパン玉砕」神話の背景 156
一八歳の君たちへ
――満州開拓団の悲劇 175
特攻隊員の「犬の皮」の帽子 177
映評 封印された負の歴史を掘り起こす
楠山忠之監督「陸軍登戸研究所」 186
「兵隊バアサン」の戦後 190
「国家の法を超えた単独者の澄明
――映画「ゆきゆきて神軍」によせて 194
3章 「大日本帝国」崩壊とジェンダー 205
〈復員兵〉と〈未亡人〉のいる風景 206
「混血児」問題と単一民族神話の生成 227
書評 煙にまかれてきた日本占領
テレーズ・スヴォボダ著、奥田暁子訳『占領期の日本 ある米軍憲兵隊員の証言』283
「日本人妻」という問題
――韓国家父長制との関連で 287
手の温かさを忘れない 301
「中国残留婦人」とジェンダー 304
映評 引き裂かれる前線と銃後—「ドイツ・青ざめた母」に寄せて
ヘルマ・サンダース=ブラームス監督「ドイツ・青ざめた母」 309
「帝国の慰安婦」と「帝国の母」と 314
書評 真に恐ろしい書——小市民的平安を根底から打ち崩す
石牟礼道子『草のことづて』 333
書評 「目に一丁字もない人間」の力
石牟礼道子『西南の役伝説』 336
書評 魂の依り所=樹——九州・西海の島々に古樹を訪ねる
石牟礼道子「常世の樹」 341
4章 リブをひらく 345
交錯する性・階級・民族
——森崎和江の〈私〉さがし 346
書評 女世界の豊かさ――産小屋とは開かれた生に向かっての女の再生
森崎和江『産小屋日記』 381
母性ファシズムの風景
——個人に回収されない自立へ 384
書評 穏やかな中に熾烈な緊張感——執念と鋭い感性が時間のベールを一枚一枚ひきはがす
橋本憲三・堀場清子「わが高群逸枝」 410
〈反差別〉の地平がひらくもの
——飯島愛子『〈侵略=差別〉の彼方へ―あるフェミニストの半生』解説 414
書評 密度高い生涯に共感——伊藤野枝の思想形成過程を追う
井手文子『自由 それは私自身』 442
総参入論
——戦争(ルビ・リスキー・ビジネス)と女性解放 445
男女共同参画小説を読む
——「岬美由紀」、「音道貴子」を中心に 468
あとがき 501