朝鮮戦争 逆コースのなかの女たち  1949.1-1951.7 (銃後史ノート戦後篇1)

女たちの現在を問う会・編

1,500円 +税

ISBN: 978-4-7554-0004-9        1986年8月15日発行

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『銃後史ノート戦後篇』刊行にあたって

 戦争も遠くなった気がします。敗戦から四〇年以上の年月が過ぎて、その間の物質的な変化、とくに六〇年代以降の変化はめざましく、私たちの記憶も、そのあたりからしかたどりにくくなってきました。
 しかし、この変化は、他国——第三世界への経済侵略を伴って成し遂げられたものであることを忘れてはならないと思うのです。その侵略は、より複雑な、みえにくい形をとっていますが、日本人である限り、私たち女も直接、間接にそれを支えてきているはずです。
 この十年間、十五年戦争下の「銃後史」をたどってきた私たちには、この日本の戦後史における女たちのありようが、あの時代の「銃後の女」と重なって映ります。
 戦後四〇年、私たちは何を得、何を失ってきたのでしょうか。それを明らかにする中で、他者、あるいは他国の人々を踏みつけにしない私たちの解放の方向を、今後ともさぐり続けたいと思います。

  一九八六年八月  女たちの現在を問う会

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銃後史ノート戦後篇① 1949.1-1951.7

特集 朝鮮戦争・逆コースのなかの女たち

年表・一九五〇年前後の日本と朝鮮
座談会 朝鮮戦争・逆コースのなかの女たち 「女たちの現在を問う会」会員
女たちの証言・その頃わたしは  
 聞き手/石井芽美子・小原解子・加納実紀代・久保よし子・小園優子・佐藤まや
     柴原あずみ・鈴木スム子・鶴丸幸代・福嶋広美・山辺恵巳子
朝鮮戦争、そして在日朝鮮女性
 解説/宇野淑子・聞き手/石井芽美子・宇野淑子・加納実紀代・小園優子・鶴丸幸代
日教組婦人部と平和運動  小原解子
資料・働く婦人の声
地域婦人会の組織化——川崎市「婦人の集い」を中心に  山辺恵巳子
婦人雑誌にみる朝鮮戦争——逆コースのなかの平和意識  解説・構成 佐藤のり子
資料・平和を願う  平塚らいてう・宮本百合子
看護婦応召タノム——朝鮮戦争に従軍した日赤看護婦  鈴木スム子
西日本新聞にみる朝鮮特需と九州鉄鋼業界  解説・構成 鶴丸幸代
聞き書き・わたしの五〇年問題  小西綾・駒尺喜美
  軍需物資を送るな 郡山吉江
  金石範『火山島』より
  中曽根康弘の国会質問  柴原あずみ
  朝鮮の学校に行きたい
  産むな減らせよ国のため  石井芽美子
  マメ事典  小園優子
占領下婦人運動の回想  原田清子
日本農民組合北海道本部書記のころ  安藤八千代
アンパン売っても国は売らない  吉見周子
皇国少女から全学連運動へ  神田美枝
聞き書き・駐留軍農場で働く  山屋光子(文責・久保よし子)
座談会 戦後婦人問題研究ことはじめ  井出文子・隅谷茂子・永原和子・村田静子・山本幸世
集会案内