55年体制成立と女たち 1953.7-1955.12 (銃後史ノート戦後篇3)

女たちの現在を問う会・編

1,500円 +税

ISBN: 978-4-7554-0009-4        1987年12月8日発行

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『銃後史ノート戦後篇』刊行にあたって

 戦争も遠くなった気がします。敗戦から四〇年以上の年月が過ぎて、その間の物質的な変化、とくに六〇年代以降の変化はめざましく、私たちの記憶も、そのあたりからしかたどりにくくなってきました。
 しかし、この変化は、他国——第三世界への経済侵略を伴って成し遂げられたものであることを忘れてはならないと思うのです。その侵略は、より複雑な、みえにくい形をとっていますが、日本人である限り、私たち女も直接、間接にそれを支えてきているはずです。
 この十年間、十五年戦争下の「銃後史」をたどってきた私たちには、この日本の戦後史における女たちのありようが、あの時代の「銃後の女」と重なって映ります。
 戦後四〇年、私たちは何を得、何を失ってきたのでしょうか。それを明らかにする中で、他者、あるいは他国の人々を踏みつけにしない私たちの解放の方向を、今後ともさぐり続けたいと思います。

  一九八六年八月  女たちの現在を問う会

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銃後史ノート戦後篇③ 1953.7〜1955.12
特集・55年体制成立と女たち

55年体制にいたるまで  鶴丸幸代
資料構成・乱闘国会と女たちの声  佐藤まや
軍隊の中の婦人部隊  鈴木スム子
「電化生活」へ、テイク・オフ!!  加納実紀代
資料・パートタイム制について  谷野せつ
第一回母親大会をめぐって  山辺恵巳子
 資料・第一回母親大会宣言・決議
原子力平和利用の意図したもの  柴原あづみ
日記・ある被爆少女の日記から  細井光
「ぐるみ」闘争と女たち  大宮みゆき
近江絹糸争議  隅谷茂子
聞き書き・いまだ戦争の影濃く漂った時代に  永畑道子
座談会・保護か平等か  板垣まさる・関千枝子・江刺昭子・三好範子
一九八七年に読む『少年期』  むらき数子
民主教育崩壊への道  小園優子
都立朝鮮人学校の終焉  宇野淑子
基地の島・沖縄  佐藤のり子
手記・小田原市職員としてⅡ 市川泰子
手記・東京さすらい節Ⅱ  安藤八千代
 年表・55年体制成立まで
 資料・まちのすみから
 原子兵器の製造禁止は時期尚早?
 炭鉱六三日スト——北炭新幌内坑にて
 資料・婦人記者と深夜業
 卵十個で裏口入園
 奄美群島返還——米国からのXマスプレゼント
 資料・共産党六全協決議より