〈日本独立〉と女たち 1951.8-1953.6 (銃後史ノート戦後篇2)

女たちの現在を問う会・編

1,500円 +税

ISBN: 978-4-7554-0006-3        1987年4月28日発行

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『銃後史ノート戦後篇』刊行にあたって

 戦争も遠くなった気がします。敗戦から四〇年以上の年月が過ぎて、その間の物質的な変化、とくに六〇年代以降の変化はめざましく、私たちの記憶も、そのあたりからしかたどりにくくなってきました。
 しかし、この変化は、他国——第三世界への経済侵略を伴って成し遂げられたものであることを忘れてはならないと思うのです。その侵略は、より複雑な、みえにくい形をとっていますが、日本人である限り、私たち女も直接、間接にそれを支えてきているはずです。
 この十年間、十五年戦争下の「銃後史」をたどってきた私たちには、この日本の戦後史における女たちのありようが、あの時代の「銃後の女」と重なって映ります。
 戦後四〇年、私たちは何を得、何を失ってきたのでしょうか。それを明らかにする中で、他者、あるいは他国の人々を踏みつけにしない私たちの解放の方向を、今後ともさぐり続けたいと思います。

  一九八六年八月  女たちの現在を問う会

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銃後史ノート戦後篇② 1951.8〜1953.6
特集 〈日本独立〉と女たち

年表・講和条約発効前後の日本
苦い〈独立〉  加納実紀代
 資料・サンフランシスコ講和条約 日米安全保障条約
 資料・『人民日報』にみる講和条約  (構成・鈴木スム子)
 資料・『プラウダ』にみる講和条約  (構成・佐藤まや)
聞き書き・原爆の図とともに——丸木俊さんに聞く——
手記・これが……人間の顔?  信 寿子
資料構成・再軍備——私はこう考える 
 平林たい子・高良とみ・市川房枝・吉屋信子 (解説・構成 佐藤まや)
 資料・三たび非武装国日本女性の平和声明
講和をめぐる国鉄労組婦人部の動き  大宮みゆき
〈独立〉と産児制限  鶴丸幸代
日記から・少女のみた講和・独立  中山博子
手記・平和を守る?  石井恭子
資料構成・切り捨てられた島・沖縄  (解説・構成 佐藤のり子)
聞き書き・不正選挙を告発して  加瀬皐月(聞き手・山辺恵巳子)
国家と補償  柴原あづみ
資料構成・『北国新聞』にみる内灘の女たち  (解説・構成 福島広美)
手記・十六歳の旅立ち  森馨子
旅券を持たない「外国人」、在日朝鮮人  宇野淑子
レッドパージの中で  鈴木スム子
手記・小田原市職員として  市川泰子
手記・東京さすらい節  安藤八千代
座談会・ある地域婦人会の一九五〇年代  河口正子・菅原きよ江・加藤初・宮原能里子