教養小説の崩壊(池田浩士コレクション4)

池田 浩士

5,500円 +税

ISBN: 978-4-7554-0187-9        2008年06月発行

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池田浩士コレクション・第4巻(第4回配本)
教養小説はなぜ変身し再生し続けるのか。深化するファシズム状況の中で、『ジャン・クリストフ』、ドストエフスキー、カフカ、カミュ、島木健作、木々高太郎からドラキュラまでを読み解く。

『教養小説の崩壊』目次

序章 なぜ〈教養小説〉か?  6
1章 自己形成と共同体の夢―教養小説の人間像  15
  1 教養小説としての『ジャン・クリストフ』  16
  2 迷いつつも努めはげむもの  31
  3 限界突破の試みのなかで  49
2章 市民社会の刻印をおびて―危機の表現としての教養小説  69
  1 この希望までもが挫折しようとは……  70
  2 〈私〉の自立―世界の喪失  88
  3 教養小説の自己意識  102
3章 われ行きて、わが魂を試みん―教養小説の書けぬ作家たち  121
  1 〈迷える市民〉の系譜  122
  2 最後の夢―自然と芸術  141
  3 現実の流動化と形式の破砕―ジャン・パウルの世界から  158
終章 革命とファシズムのはざまで―転向形式としての教養小説  183
  あとがき  206
+α
第二部 ドラキュラとその兄弟たち  209
  ドイツ教養小説の限界性─二十世紀ドイツ文学史へのひとつのアプローチ  210
  シラー・ドストイェフスキイ・ゼーガース  219
  〈私とは何か〉をめぐって─真継伸彦批判  228
  謎とその解明─『悪霊』の小説構造によせて  246
  ベンヤミンとドストエーフスキー  272
  小説様式の側面からみたカフカの表現  286
  獄中転向から獄外転向へ─島木健作にみる一九三〇年代  301
  良吉は境界をどう越えたか─『人生の阿呆』、最後の挑戦  340
  『変身』断章  398
  『罪と罰』の偶然性  411
  『異邦人』の暴力  428
  ドラキュラとその兄弟たち  437
コレクション版あとがき  457