ファシズムと文学  ヒトラーを支えた作家たち (池田浩士コレクション3)

池田 浩士

4,600円 +税

ISBN: 978-4-7554-0165-7        2006年06月発行

数量
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

我々のファシズムと対峙するために。

目次
第一部 ファシズムと文学―ヒトラーを支えた文学者たち  7
序章  9
? 《内面の自由》の軌跡―ヘルマン・シュテール―  21
  1 距離と近さ  22
  2 叛逆からの出発  26
  3 評価をうけたシュテール文学  32
  4 〈魂を耕す詩人〉  40
  5 シュテールとナチズムを結ぶもの  48

? 『土地なき民』と民族主義―ハンス・グリム―  57
  1 〈民族の運命の書〉  58
  2 何故、何処から、だが何処へ?  65
  3 批判的同伴者の歩み  73
  4 不安と憧憬  81

? 歴史小説の問題によせて―E・G・コルベンハイヤー―  93
  1 民族生物学の神話  94
  2 指導者と若い民族  102
  3 歴史の原点をたずねて  108
  4 〈共同体〉の夢と悪夢  123

? 叛逆と転向と―アルノルト・ブロンネン―  135
  1 表現主義の残照のなかで  136
  2 マス・メディアをめぐる闘争  154
  3 呪縛された黒豹  171

? ファシズムとつきあう方法―ハンス・ファラダ―  185
  1 ヒトラー・ドイツの心臓部で  186
  2 ファシズムの戸口に立って  190
  3 抵抗と逃避のはざま  203
  4 不透明な現実のなかで  215

あとがきにかえて  222

+α
第二部 文学・文化の「わが闘争」  235

  〈闇の文化史〉ののちに  236
  表現主義とあとに来るもの  240
  内部の矛盾―ドイツ・イタリア・ゲッベルス  252
  帰属意識の文学 三〇年代を先取りした〈古い二〇年代〉の作家たち  261
  『ファービアーン』のケストナー  271
  マゾッホ・ナチズム・ナードラー  275
  芸術はどこまで民衆のものになるか―芸術のファシズム体験によせて  284
  「インターナショナル」はどこへ行ったか―ナチズムの大衆歌によせて  313
  ナチズムの歌、死者の声  318

第三部 ファシズムは時空を越えて  331

  戦後西ドイツの思想状況  332
  表現それ自体が犯罪である領域で―文学的抵抗の伝統と非伝統  340
  『秋のドイツ』(映画評)  359
  「秋のドイツ」が終わるとき  361
  ドイツ・ファシズムと近代天皇制  371
  文学表現のなかの〈異境〉―ナチス文学と戦時下日本との比較で  386
  「動員」の構造―ナチのベルリン・オリンピック  415
  エピソードとしての表現弾圧  433
  オットー・ディックスとその時代  438
  アレクサンドロス大王とギリシア文化人たち  448

コレクション版へのあとがき  451