「銃後史」をあるく

加納実紀代

3,000円 +税

ISBN: ISBN978-4-7554-0290-6        2018年11月17日発刊

数量
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

戦争は女を〈解放〉したか
戦前・戦後をつらぬく被害と加害
男は前線/女は銃後。女たちもまた戦争に加担したということを初めて論証した女性史研究者・加納実紀代の決定版論集。

もくじ

1章:わたしのヒロシマ 009
 首のある死体と首のない死体  010
 〔八月六日〕とカネヘン景気 016
 被害者責任  027
    書評 ヒロシマをひらく――〈迂回〉を経ての継承
    平井和子『「ヒロシマ以後」の広島に生まれて』、東琢磨『ヒロシマ独立論』 030
 3・11を心に刻んで 035
 立つ瀬がない――被害/加害の二重性を超える 038

2章 「銃後史」をあるく 061
 勝ち戦と女の加害性 062
 小泉郁子と「帝国のフェミニズム」 066
 プラクティカルなファシズム
   ――自力更生運動下の「家の光」がもたらしたもの 112
 「大東亜共栄圏」の女たち
   ――『写真週報』に見るジェンダー 135
 殉国と黒髪
   ――「サイパン玉砕」神話の背景 156
 一八歳の君たちへ
   ――満州開拓団の悲劇 175
 特攻隊員の「犬の皮」の帽子 177
   映評 封印された負の歴史を掘り起こす
   楠山忠之監督「陸軍登戸研究所」 186
 「兵隊バアサン」の戦後 190
 「国家の法を超えた単独者の澄明
  ――映画「ゆきゆきて神軍」によせて 194

3章 「大日本帝国」崩壊とジェンダー 205
 〈復員兵〉と〈未亡人〉のいる風景 206
 「混血児」問題と単一民族神話の生成 227
   書評 煙にまかれてきた日本占領 
   テレーズ・スヴォボダ著、奥田暁子訳『占領期の日本 ある米軍憲兵隊員の証言』283
 「日本人妻」という問題
   ――韓国家父長制との関連で 287
 手の温かさを忘れない 301
 「中国残留婦人」とジェンダー 304
   映評 引き裂かれる前線と銃後—「ドイツ・青ざめた母」に寄せて
   ヘルマ・サンダース=ブラームス監督「ドイツ・青ざめた母」 309
 「帝国の慰安婦」と「帝国の母」と 314


  書評 真に恐ろしい書——小市民的平安を根底から打ち崩す
  石牟礼道子『草のことづて』  333
  書評 「目に一丁字もない人間」の力
  石牟礼道子『西南の役伝説』  336
  書評 魂の依り所=樹——九州・西海の島々に古樹を訪ねる
   石牟礼道子「常世の樹」 341
 

   

4章 リブをひらく  345
 交錯する性・階級・民族
   ——森崎和江の〈私〉さがし 346
  書評 女世界の豊かさ――産小屋とは開かれた生に向かっての女の再生
  森崎和江『産小屋日記』 381
 母性ファシズムの風景
   ——個人に回収されない自立へ 384
   書評 穏やかな中に熾烈な緊張感——執念と鋭い感性が時間のベールを一枚一枚ひきはがす 
   橋本憲三・堀場清子「わが高群逸枝」 410
 〈反差別〉の地平がひらくもの
   ——飯島愛子『〈侵略=差別〉の彼方へ―あるフェミニストの半生』解説 414
   書評 密度高い生涯に共感——伊藤野枝の思想形成過程を追う
   井手文子『自由 それは私自身』  442
 総参入論
  ——戦争(ルビ・リスキー・ビジネス)と女性解放 445
 男女共同参画小説を読む
  ——「岬美由紀」、「音道貴子」を中心に 468

あとがき 501