小説のなかの異境 付 ジャン・パウル論 (池田浩士コレクション8)
目次
第一部 小説のなかの異境 ロマン主義文学論序説 7
序章 予感と現前 8
1 虚構から現実へ 8
2 遠いものの接近――『黄金の壺』 10
3 自由の領域――影を失くした男 18
Ⅰ 時空の彼方へ――越境する想像力 24
1 旅の諸相 24
(1)「自然」との再会を求めて (2)探求の旅からパロディとしての旅へ (3)修業の旅から観光の旅へ
2 迷路とその果て 35
(1)過誤の舞台としての旅 (2)ウィリアム・ラヴェルの旅 (3)旅がもたらした「解明」
3 「第三世界」の発見 43
(1)ウィリアム・ラヴェルの最大の罪業 (2)ゴシック・ロマンスと文化遺産 (3)学術探検としての旅
4 SFと現実超脱 56
(1)二つの聖域――科学と芸術 (2)新しい視線の開発 (3)SFとしての『飛行船乗りジャンノッツォ』
Ⅱ 表現の始原から――民衆文化と民俗学 68
1 発掘された「民衆」 68
(1)『オシアン』とヘルダー (2)民衆表現から民族文化へ (3)閉ざされた民族性
2 民衆的表現とその飛躍 83
(1)進行形の総合文学――シュレーゲルの小説論 (2)転機としての『画家ノルテン』 (3)ロマン主義とリアリズムとの境界で
3 探偵小説と科学の目 95
(1)虚構と科学とのあいだ (2)限定された視点 (3)科学の絶対化とその自己批判
4 文化の共時性とは何か? 108
(1)シャミッソーと南洋諸島 (2)侵略を刻印された民衆文化 (3)学術探検は何をもたらしたか?
Ⅲ 未成の共和国――外なる共同体のために 121
1 夢から現実へ 121
(1)着地する夢――『大菩薩峠』と新天地の建設 (2)だれが、なぜ、理想郷を夢みるのか? (3)あらかじめ挫折を宣告された夢……
2 生きる場での新世界を求めて 138
(1)解放の拠点としての隠れ里 (2)よみがえる救済者 (3)解放への夢としての亜細亜主義
3 科学技術神話を超えて 154
(1)木々高太郎のSF小説『緑の日章旗』 (2)地下のユートピアとその消滅 (3)過去に向かうSF
4 滅びと逆転――SF小説の行方 170
(1)新人類から古生物まで――香山滋のSF世界 (2)オラン・ペンデクとその仲間たち (3)新しい夢――絶対的な無力からの出発
終章 夢の二つの顔 189
1 巨人の玩具 189
2 お伽噺と説話とのあいだ 194
第二部 ジャン・パウル論 203
ジャン・パウル『生意気ざかり』における〈教養小説〉形式の破綻 204
ジャン・パウルの現実否定と小説形式
『カッツェンベルガー博士の温泉旅行』――覚え書 234
ジャン・パウル『レヴァーナもしくは教育論』入門 255
ジャン・パウルと分身
――小説構造をめぐる覚え書 311
Ⅰ ジーベンケースとライプゲーバー 311
1 登場人物としての語り手 311
2 貧民弁護士の生と死と再生 316
3 ライプゲーバーの生と死 324
4 〈自我〉と〈非自我〉から〈共自我〉へ 330
Ⅱ ニコラウス・マルクグラーフ 336
1 内部に向かう〈分身〉 336
2 贋物づくりの贋物が旅を行く 342
3 〈自我〉と〈非自我〉から〈共自我〉たちへ 349
コレクション版へのあとがき 355
第一部 小説のなかの異境 ロマン主義文学論序説 7
序章 予感と現前 8
1 虚構から現実へ 8
2 遠いものの接近――『黄金の壺』 10
3 自由の領域――影を失くした男 18
Ⅰ 時空の彼方へ――越境する想像力 24
1 旅の諸相 24
(1)「自然」との再会を求めて (2)探求の旅からパロディとしての旅へ (3)修業の旅から観光の旅へ
2 迷路とその果て 35
(1)過誤の舞台としての旅 (2)ウィリアム・ラヴェルの旅 (3)旅がもたらした「解明」
3 「第三世界」の発見 43
(1)ウィリアム・ラヴェルの最大の罪業 (2)ゴシック・ロマンスと文化遺産 (3)学術探検としての旅
4 SFと現実超脱 56
(1)二つの聖域――科学と芸術 (2)新しい視線の開発 (3)SFとしての『飛行船乗りジャンノッツォ』
Ⅱ 表現の始原から――民衆文化と民俗学 68
1 発掘された「民衆」 68
(1)『オシアン』とヘルダー (2)民衆表現から民族文化へ (3)閉ざされた民族性
2 民衆的表現とその飛躍 83
(1)進行形の総合文学――シュレーゲルの小説論 (2)転機としての『画家ノルテン』 (3)ロマン主義とリアリズムとの境界で
3 探偵小説と科学の目 95
(1)虚構と科学とのあいだ (2)限定された視点 (3)科学の絶対化とその自己批判
4 文化の共時性とは何か? 108
(1)シャミッソーと南洋諸島 (2)侵略を刻印された民衆文化 (3)学術探検は何をもたらしたか?
Ⅲ 未成の共和国――外なる共同体のために 121
1 夢から現実へ 121
(1)着地する夢――『大菩薩峠』と新天地の建設 (2)だれが、なぜ、理想郷を夢みるのか? (3)あらかじめ挫折を宣告された夢……
2 生きる場での新世界を求めて 138
(1)解放の拠点としての隠れ里 (2)よみがえる救済者 (3)解放への夢としての亜細亜主義
3 科学技術神話を超えて 154
(1)木々高太郎のSF小説『緑の日章旗』 (2)地下のユートピアとその消滅 (3)過去に向かうSF
4 滅びと逆転――SF小説の行方 170
(1)新人類から古生物まで――香山滋のSF世界 (2)オラン・ペンデクとその仲間たち (3)新しい夢――絶対的な無力からの出発
終章 夢の二つの顔 189
1 巨人の玩具 189
2 お伽噺と説話とのあいだ 194
第二部 ジャン・パウル論 203
ジャン・パウル『生意気ざかり』における〈教養小説〉形式の破綻 204
ジャン・パウルの現実否定と小説形式
『カッツェンベルガー博士の温泉旅行』――覚え書 234
ジャン・パウル『レヴァーナもしくは教育論』入門 255
ジャン・パウルと分身
――小説構造をめぐる覚え書 311
Ⅰ ジーベンケースとライプゲーバー 311
1 登場人物としての語り手 311
2 貧民弁護士の生と死と再生 316
3 ライプゲーバーの生と死 324
4 〈自我〉と〈非自我〉から〈共自我〉へ 330
Ⅱ ニコラウス・マルクグラーフ 336
1 内部に向かう〈分身〉 336
2 贋物づくりの贋物が旅を行く 342
3 〈自我〉と〈非自我〉から〈共自我〉たちへ 349
コレクション版へのあとがき 355