パンパンとは誰なのか キャッチという占領期の性暴力とGIとの親密性
パンパンとは誰なのかキャッチという占領期の性暴力とGIとの親密性
茶園敏美著 2014年9月30日刊
ISBN978-4-7554-0248-7 C0036 定価2800円+税
これは占領期の特殊な時期の特殊な話ではない! 占領期、神戸でパンパンと呼ばれたおんなたちはどういう状況で生きたのか、彼女たちとGIたちとどのような交渉をおこない、彼女たちを駆逐し管理しようとする当局へ抵抗したか。
目次
はじめに ――パンパンとの出愛―― 8
1.「あいのこ」といわれて
2.謎めいて魅力的なパンパン
3.パンパンと恋文横丁
4.おんなたちが手を結ぶには
5.だれも知らないコウベ―交渉の痕跡はどこ?
6. 本書について
第1章 はじまりは闇の女の登場から 33
1. 朝の連ドラ「おしん」にも登場するパンパン
2. GI専用慰安施設の魅力的な求人広告
3.慰安施設のオープンと「慰安婦」たち
4.慰安施設閉鎖と闇の女の登場
?部 パンパンをめぐって 51
第2章 GIとつきあうおんなたちへのまなざし 52
1.脅威のおんなたち―神崎清の場合―
(1)目隠し入りのポートレイト
(2)性暴力を不問にした語り
(3)基地に勤めるおんなとおとこ…そして神崎の欲望と
2.グウタラで働くことが大きらいなおんなたち―福田昌子の場合―
(1)ヤミの女に扮したお医者さん
(2)本音を語らないおんなたち
3.たくましいおんなたち―通訳警官の場合―
(1)彼ら米兵はよく女にモテた
(2)ファッションとしての雑誌『ライフ』と英語塾を開く脱走兵
第3章 調査報告書にみるおんなたちとリアルなおんなたち 85
1.パンパンの表象―おんなの視点・おとこの視点―
(1)エロ本とみなされた調査報告書
(2)おんなの視点・おとこの視点
(3)パンパンは楽な商売??
2.異なる光景―病院という集会と情報交換の場―
3.おんなたちの出愛と交流
(1)おんなたちへの分断支配とは?
(2)分断支配が機能しないとき
?部GIをめぐって 108
第4章 1人のGIとコンタクトするおんなたち――下宿というコンタクト・ゾーン―― 112
1.交際相手からの独立を考えているおんなたち―アイ、たまこ―
2.仕事を続けるおんなたち―秋子、凜―
3.家族を援助するおんなたち―アキ、梅子、エリカ―
4.揺らぐおんなたち―まり、蘭、しおん、るり―
5.日本のおとこと関わったおんなたち―鈴、すみれ、はる―
6.レイプ被害に遭ったおんなたち―さくらこ、あおい、冬子、アン、ナナ、椿―
7.不動産を所有するおんなたち―ゆず、ふじ―
8.自分の意見をいうおんな―夏子―
第5章 不特定のGIとコンタクトするおんなたち――さまざまなコンタクト・ゾーン―― 143
1.下宿を使うおんなたち
(1)オンリー・ワンでバタフライなおんな―松子―
(2)更生を考えているおんな―花―
(3)主張するおんな―のばら―
(4)貯蓄を目標にするおんな―まゆ―
(5)パンパンの仕事に満足するおんな―ミモザ―
2.レイプ被害経験のあるハウスのおんなたち―はまな、カンナ、実世― 154
3.ポン引きと手を組みホテルを利用するおんな―桜― 159
4.フレキシブルな場のおんなたち
(1)レイプ被害にあったおんなたち―美奈、もも―
(2)一生忘れられないGIがいたおんな―むめ―
第6章 面接現場というコンタクト・ゾーン――調査員とのコンタクト―― 167
1.処女でキャッチされたおんなたち―アザミ、ユキコ―
2.結婚を考えているおんなたち―ゆり、春香、ひめ―
3.調査員を翻弄するおんなたち―あさ、さつき、さゆり、リリー、ユウコ―
?部 性暴力としてのキャッチ 181
第7章 おんなたちを待ち伏せするキャッチ 184
1.街角でのキャッチ
2.ミス・キャッチという落とし穴
3.白昼のキャッチ被害と犯罪者扱いされたおんなたち
4.性病患者は犯罪者ではない―PHW から憲兵司令部への訴え―
第8章 おんなたちの住まいに踏み込むキャッチ 207
1.コンタクト・トレーシングの問診票
2.ピンポイント・キャッチという性暴力
3.接触者の逮捕 vs. 接触者の治療
4.通報者という共犯者と消費された訴え
?部「合法的な性暴力――おんなたちの身体を管理する法―― 221
第9章 一部のおんなたちに適用された法 222
1. PHW(公衆衛生局)の介入
2.性病が伝染病として法的に認知されるということ
3.検挙方法と検挙されたおんなたちのゆくえ―神戸市の場合―
4.性病対策顧問医師エルキンスの関西視察
(1)おどろきの性病対策!
(2)パンパンのための病院―京都―
(3)施設の不足と保健部内部の癒着―大阪―
(4)おぞましく、犯罪とさえ呼べるような性病治療―神戸―
第10章 すべてのおんなたちに適用された法 240
1.欲望を予防するもの―性病予防法の登場
2.見せしめ効果としてのキャッチ
3.合法的にキャッチできなくなった波紋
第11章 2本立ての強制的性病検診 256
1.性病予防法を支える条例―神戸市と尼崎市の異なり―
2.買売春を取り締まらない条例―神戸市売いん等取締条例―
3.売春等取締条例のその後―売春防止法との関係性―
4. コウベのいま
おしまいに ほとんど語られてこなかったこと――性暴力とGIとの親密性―― 274
1.パンパン狩りという言い方
2. 傍観者は共犯者―目にしているのに気づかないということ―
3. GIとの親密性
4.現在のわたしたちへ引き継がれていること
参考文献&資料 285
感謝のきもち 293
茶園敏美著 2014年9月30日刊
ISBN978-4-7554-0248-7 C0036 定価2800円+税
これは占領期の特殊な時期の特殊な話ではない! 占領期、神戸でパンパンと呼ばれたおんなたちはどういう状況で生きたのか、彼女たちとGIたちとどのような交渉をおこない、彼女たちを駆逐し管理しようとする当局へ抵抗したか。
目次
はじめに ――パンパンとの出愛―― 8
1.「あいのこ」といわれて
2.謎めいて魅力的なパンパン
3.パンパンと恋文横丁
4.おんなたちが手を結ぶには
5.だれも知らないコウベ―交渉の痕跡はどこ?
6. 本書について
第1章 はじまりは闇の女の登場から 33
1. 朝の連ドラ「おしん」にも登場するパンパン
2. GI専用慰安施設の魅力的な求人広告
3.慰安施設のオープンと「慰安婦」たち
4.慰安施設閉鎖と闇の女の登場
?部 パンパンをめぐって 51
第2章 GIとつきあうおんなたちへのまなざし 52
1.脅威のおんなたち―神崎清の場合―
(1)目隠し入りのポートレイト
(2)性暴力を不問にした語り
(3)基地に勤めるおんなとおとこ…そして神崎の欲望と
2.グウタラで働くことが大きらいなおんなたち―福田昌子の場合―
(1)ヤミの女に扮したお医者さん
(2)本音を語らないおんなたち
3.たくましいおんなたち―通訳警官の場合―
(1)彼ら米兵はよく女にモテた
(2)ファッションとしての雑誌『ライフ』と英語塾を開く脱走兵
第3章 調査報告書にみるおんなたちとリアルなおんなたち 85
1.パンパンの表象―おんなの視点・おとこの視点―
(1)エロ本とみなされた調査報告書
(2)おんなの視点・おとこの視点
(3)パンパンは楽な商売??
2.異なる光景―病院という集会と情報交換の場―
3.おんなたちの出愛と交流
(1)おんなたちへの分断支配とは?
(2)分断支配が機能しないとき
?部GIをめぐって 108
第4章 1人のGIとコンタクトするおんなたち――下宿というコンタクト・ゾーン―― 112
1.交際相手からの独立を考えているおんなたち―アイ、たまこ―
2.仕事を続けるおんなたち―秋子、凜―
3.家族を援助するおんなたち―アキ、梅子、エリカ―
4.揺らぐおんなたち―まり、蘭、しおん、るり―
5.日本のおとこと関わったおんなたち―鈴、すみれ、はる―
6.レイプ被害に遭ったおんなたち―さくらこ、あおい、冬子、アン、ナナ、椿―
7.不動産を所有するおんなたち―ゆず、ふじ―
8.自分の意見をいうおんな―夏子―
第5章 不特定のGIとコンタクトするおんなたち――さまざまなコンタクト・ゾーン―― 143
1.下宿を使うおんなたち
(1)オンリー・ワンでバタフライなおんな―松子―
(2)更生を考えているおんな―花―
(3)主張するおんな―のばら―
(4)貯蓄を目標にするおんな―まゆ―
(5)パンパンの仕事に満足するおんな―ミモザ―
2.レイプ被害経験のあるハウスのおんなたち―はまな、カンナ、実世― 154
3.ポン引きと手を組みホテルを利用するおんな―桜― 159
4.フレキシブルな場のおんなたち
(1)レイプ被害にあったおんなたち―美奈、もも―
(2)一生忘れられないGIがいたおんな―むめ―
第6章 面接現場というコンタクト・ゾーン――調査員とのコンタクト―― 167
1.処女でキャッチされたおんなたち―アザミ、ユキコ―
2.結婚を考えているおんなたち―ゆり、春香、ひめ―
3.調査員を翻弄するおんなたち―あさ、さつき、さゆり、リリー、ユウコ―
?部 性暴力としてのキャッチ 181
第7章 おんなたちを待ち伏せするキャッチ 184
1.街角でのキャッチ
2.ミス・キャッチという落とし穴
3.白昼のキャッチ被害と犯罪者扱いされたおんなたち
4.性病患者は犯罪者ではない―PHW から憲兵司令部への訴え―
第8章 おんなたちの住まいに踏み込むキャッチ 207
1.コンタクト・トレーシングの問診票
2.ピンポイント・キャッチという性暴力
3.接触者の逮捕 vs. 接触者の治療
4.通報者という共犯者と消費された訴え
?部「合法的な性暴力――おんなたちの身体を管理する法―― 221
第9章 一部のおんなたちに適用された法 222
1. PHW(公衆衛生局)の介入
2.性病が伝染病として法的に認知されるということ
3.検挙方法と検挙されたおんなたちのゆくえ―神戸市の場合―
4.性病対策顧問医師エルキンスの関西視察
(1)おどろきの性病対策!
(2)パンパンのための病院―京都―
(3)施設の不足と保健部内部の癒着―大阪―
(4)おぞましく、犯罪とさえ呼べるような性病治療―神戸―
第10章 すべてのおんなたちに適用された法 240
1.欲望を予防するもの―性病予防法の登場
2.見せしめ効果としてのキャッチ
3.合法的にキャッチできなくなった波紋
第11章 2本立ての強制的性病検診 256
1.性病予防法を支える条例―神戸市と尼崎市の異なり―
2.買売春を取り締まらない条例―神戸市売いん等取締条例―
3.売春等取締条例のその後―売春防止法との関係性―
4. コウベのいま
おしまいに ほとんど語られてこなかったこと――性暴力とGIとの親密性―― 274
1.パンパン狩りという言い方
2. 傍観者は共犯者―目にしているのに気づかないということ―
3. GIとの親密性
4.現在のわたしたちへ引き継がれていること
参考文献&資料 285
感謝のきもち 293