異端論争の彼方へ 埴谷雄高・花田清輝・吉本隆明とその時代
思想の巨人たちが残した闘いの跡を独自の観点からとらえ、今この時代の危機を問う。
目次)
異端論争の彼方へ
埴谷雄高-花田清輝-吉本隆明とその時代
序 忠誠と幻視のはざまで 7
喜劇‐笑劇‐悲劇 8
忠誠と幻視のはざまで 10
三つの論争とその循環性 14
本書の構成 16
? 三人の異端審問がはじまる 19
第一章 俺は何か悟ったような気になったぜ(一九三三年) 埴谷雄高 20
1 自同律の不快をつぶやく 20
2 転向からの非転向という独自性 25
3 『死靈』「序曲」一章を読む 31
4 『死靈』「序曲」二章を読む 34
5 『死靈』「序曲」三章を読む 38
6 『死靈』伝説とは何か 40
7 椎名麟三における忠誠 44
第二章 生涯を賭けてただ一つの歌を(一九四一年) 花田清輝 48
1 花田清輝とメタモルフォーゼ 48
2 『復興期の精神』を読む 52
3 無数のわたしが存在する 58
4 戦後は望ましい戦後ではなく 60
5 わたしは鉱物になりたい 63
第三章 おれが讃辞と富とを獲たら捨ててくれ(一九五四年) 吉本隆明 65
1 関係の絶対性とは何か 65
2 『マチウ書試論』と近親憎悪 68
3 近代的自我の行方 73
4 死の国の世代の使者 79
? 異数の世界におりていく 83
第四章 花田清輝よ、そこには厳粛な愚劣があった(一九五六年) 埴谷‐花田論争 84
1 「政治と文学」論争の第一ステージ 84
2 絶対的対立者 埴谷と花田 88
3 垂直軸と水平軸の競作 92
4 『死靈』から分岐していくエッセイ 94
5 スターリン批判に向けて 98
6 レーニンを知り、レーニンを追い越す 101
7 日本共産党に与う 105
第五章 ぼくは拒絶された思想としてその意味のために生きよう(一九五七‐六〇年) 花田‐吉本論争 109
1 戦後文学論争の最終ステージ 109
2 贋アヴァンギャルドを撃つ 113
3 芸術運動理論への原理的批判 117
4 勝負はついたと横合いから埴谷が判定した 120
5 異端論争はいったん終わる 123
6 もう一人の審判員鶴見 125
7 どこに思想の根拠をおくか 127
8 花田の早すぎる晩年 131
第六章 死者の数を数えろ、墓標を立てろ(一九六二‐六四年) 137
1 党員文学者の集団除名 137
2 「政治と文学」論争の第二ステージ 142
3 プロレタリア文学の遺産は誰のものか 145
4 吉本にとって勝利とは何か 149
5 異端から正統へ 154
第七章 俺たちは彼らを〈あちらの側〉に預けておく(一九七二‐七五年) 157
1 『死靈』五章の出現と花田の死 157
2 新左翼の死は駆け足でやってきた 159
3 内部ゲバルトの時代 164
4 死者たちが五章を書かせた 167
5 あらためて『死靈』四章を読む 168
6 つづけて『死靈』五章を読む 174
7 革命家の自己革命 178
8 愛の物語の不能 181
9 埴谷万年・吉本千年 184
10 『死靈』六章以降を読む 187
11 『死靈』全巻をいかにして読むか 191
12 『青年の環』と『死靈』 195
13 花田清輝のために 200
第八章 資本主義は勝利することによって、資本主義はすべてに勝利する(一九八四年) 吉本‐埴谷論争 206
1 ハイパー資本主義と吉本の勝利 206
2 教祖の終焉とその後 210
3 最後の吉本‐埴谷論争 215
4 ザ・清輝 219
5 国民的講演家(?)吉本 221
? 〈帝国〉はけっして滅びない(二〇一三年) 225
1 〈帝国〉は錯乱する 226
2 勝利と敗北と――二つにして一つのこと 231
3 敗北と勝利と――二つにして一つのこと 235
4 終わったのか終わらないのか 238
5 音楽データ・ファイルが世界を変えた 240
6 インターネットは怖ろしい 245
7 電力を制する者が世界を制する 250
8 レーニン・イン・ビカミング Lenin in Becoming 253
参考文献 258
目次)
異端論争の彼方へ
埴谷雄高-花田清輝-吉本隆明とその時代
序 忠誠と幻視のはざまで 7
喜劇‐笑劇‐悲劇 8
忠誠と幻視のはざまで 10
三つの論争とその循環性 14
本書の構成 16
? 三人の異端審問がはじまる 19
第一章 俺は何か悟ったような気になったぜ(一九三三年) 埴谷雄高 20
1 自同律の不快をつぶやく 20
2 転向からの非転向という独自性 25
3 『死靈』「序曲」一章を読む 31
4 『死靈』「序曲」二章を読む 34
5 『死靈』「序曲」三章を読む 38
6 『死靈』伝説とは何か 40
7 椎名麟三における忠誠 44
第二章 生涯を賭けてただ一つの歌を(一九四一年) 花田清輝 48
1 花田清輝とメタモルフォーゼ 48
2 『復興期の精神』を読む 52
3 無数のわたしが存在する 58
4 戦後は望ましい戦後ではなく 60
5 わたしは鉱物になりたい 63
第三章 おれが讃辞と富とを獲たら捨ててくれ(一九五四年) 吉本隆明 65
1 関係の絶対性とは何か 65
2 『マチウ書試論』と近親憎悪 68
3 近代的自我の行方 73
4 死の国の世代の使者 79
? 異数の世界におりていく 83
第四章 花田清輝よ、そこには厳粛な愚劣があった(一九五六年) 埴谷‐花田論争 84
1 「政治と文学」論争の第一ステージ 84
2 絶対的対立者 埴谷と花田 88
3 垂直軸と水平軸の競作 92
4 『死靈』から分岐していくエッセイ 94
5 スターリン批判に向けて 98
6 レーニンを知り、レーニンを追い越す 101
7 日本共産党に与う 105
第五章 ぼくは拒絶された思想としてその意味のために生きよう(一九五七‐六〇年) 花田‐吉本論争 109
1 戦後文学論争の最終ステージ 109
2 贋アヴァンギャルドを撃つ 113
3 芸術運動理論への原理的批判 117
4 勝負はついたと横合いから埴谷が判定した 120
5 異端論争はいったん終わる 123
6 もう一人の審判員鶴見 125
7 どこに思想の根拠をおくか 127
8 花田の早すぎる晩年 131
第六章 死者の数を数えろ、墓標を立てろ(一九六二‐六四年) 137
1 党員文学者の集団除名 137
2 「政治と文学」論争の第二ステージ 142
3 プロレタリア文学の遺産は誰のものか 145
4 吉本にとって勝利とは何か 149
5 異端から正統へ 154
第七章 俺たちは彼らを〈あちらの側〉に預けておく(一九七二‐七五年) 157
1 『死靈』五章の出現と花田の死 157
2 新左翼の死は駆け足でやってきた 159
3 内部ゲバルトの時代 164
4 死者たちが五章を書かせた 167
5 あらためて『死靈』四章を読む 168
6 つづけて『死靈』五章を読む 174
7 革命家の自己革命 178
8 愛の物語の不能 181
9 埴谷万年・吉本千年 184
10 『死靈』六章以降を読む 187
11 『死靈』全巻をいかにして読むか 191
12 『青年の環』と『死靈』 195
13 花田清輝のために 200
第八章 資本主義は勝利することによって、資本主義はすべてに勝利する(一九八四年) 吉本‐埴谷論争 206
1 ハイパー資本主義と吉本の勝利 206
2 教祖の終焉とその後 210
3 最後の吉本‐埴谷論争 215
4 ザ・清輝 219
5 国民的講演家(?)吉本 221
? 〈帝国〉はけっして滅びない(二〇一三年) 225
1 〈帝国〉は錯乱する 226
2 勝利と敗北と――二つにして一つのこと 231
3 敗北と勝利と――二つにして一つのこと 235
4 終わったのか終わらないのか 238
5 音楽データ・ファイルが世界を変えた 240
6 インターネットは怖ろしい 245
7 電力を制する者が世界を制する 250
8 レーニン・イン・ビカミング Lenin in Becoming 253
参考文献 258