死刑の[昭和]史

池田 浩士

3,500円 +税

ISBN: 978-4-7554-0026-1        1992年03月発行

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「兇悪犯罪」を憎む心のあなたへ
歴史と今をえぐる異色の死刑論

大逆事件から「連続幼女殺人事件」まで、[昭和] の重大事件を読み解くなかから、死刑と被害者感情、戦争と死刑、マスコミと世論など、被害者感情など死刑をめぐるさまざまな問題を万巻の資料に基づいて思索した大著。

「一九九一年七月、国連で死刑廃止条約が発効。そのため死刑廃止は日本でも実現可能な目標になった。しかし、そんな状況であればこそ、誰よりも私たち死刑囚は、確信的な死刑存置論者をも納得させうる死刑廃止のための論拠を主体化することが求められるだろう。本書は、それに向けて、共に考え抜くために、池田浩士さんが投じてくれた大きな一石である。」 ーー 大道寺将司

目次
序章 「大量虐殺糾弾」の頽廃について
第I章 虎ノ門事件と〈昭和〉の開幕
第II章 死刑と日本の近代化
第III章 戦争ー日常化する死刑
第IV章 「法」が死刑囚をつくる
第V章 「世間」が死刑囚をつくる
第VI章 「兇悪犯に重刑を!」ー死刑と世論
第VII章 死刑囚という隣人たち
第VIII章 死刑囚から「世論」へ
第IX章 死刑廃止論の現在
第X章 死刑を執行する側から
第XI章 死刑がないと困るのだ!!
もうひとつの序章 死刑廃止の彼方へ
あとがきにかえて ーこの本は死刑とどう向きあってきたか?