トラウマを負う精神医療の希望と哀しみ 摂食障害・薬物依存・自死・死刑を考える

大河原昌夫(精神科医・財団法人住吉病院(甲府市)副院長。)

2,000円 +税

ISBN: 978-4-7554-0297-5        2019年06月30日発行

数量
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

アルコール依存から出発し、摂食障害、薬物依存の援助と家族会の運営に情熱を注ぐ精神科医が、自死から死刑問題までを視野にいれ、この30余年に出会った人々とその家族への希望と哀しみを伝える。
46判 263ページ 

目 次
第1章 摂食障害と音楽への感謝 7
 1 摂食障害の孤独 7
 2 理解されることと理解すること 12
 3 芸術療法と嘘 18
 4 芸術は人を傷つけないか 20
 5 加害者性と孤独 27

第2章 優しき薬物依存症者 山梨ダルクを通過した人びと 34
 1 東北の薬中 34
 2 関東のアル中 41
 3 作られた薬物依存・畠山鈴香さんの場合 46
 4 ミニODの人 50
 5 藤沢周平の世界 54

第3章 アルコール依存症とDV 60
 1 アルコール依存症と暴力 60
 2 冷静な暴力 64
 3 理解しあえなかった人びと 69
 4 背後にある、暴力の許容 73
 5 被害者自身の価値観 77
 6 別れられない理由の底 82
 7 暴力と精神科 86

第4章 精神医療から死刑を考える 91
 1 「死にたい」 91
 2 傷ついた部分・脆い自分に立つ 93
 3 死刑論議は終りが見えないのか 95
 4 「命を大切にする」教育と死刑 111
 5 少数派を生きるとは 113

第5章 悲しい自死 120
 1 届けられた遺書 120
 2 自死のあとの精神科医 124
 3 自死の迷いと覚悟 127
 4 老いと自死への傾斜 131
 5 曖昧な死への途 134
 6 死への潔さ 139

第6章 看護の道徳と規則違反 141
 1 看護と性 141
 2 相談相手としての看護師 145
 3 規則違反への敏感さ 147
 4 万引きと看護 154
 5 嫌われる人と看護の倫理観 160

第7章 診察室の監視カメラ 医の倫理が問われて 166
 1 新しい病棟建設 166
 2 「コンビニのような監視カメラが欲しい」 168
 3 診察室の監視カメラ 170
 4 相互不信を支える監視カメラ 177
 5 録音は恥ずかしい 180
 6 たとえ訴えられても 182

第8章 人びとの記憶 190
 1 Go(o)d bye AA 190
 2 〈趣味〉を持つ人間の弱さ 196
 3 山への想いと仲間 207
 4 山々と故郷 220
 5 「ザ・ニュースペーパー」と天皇一家―天皇制の恐怖 224

第9章 悼詞 229
 1 追悼・なだいなだ 平易さの奥に 229
 2 なだいなだが棄てなかったもの 240
 3 鶴見俊輔への感謝 243
 4 佐々木元の録音 248
 5 天野正子の慈愛 249
 6 シャイな人・柏田崇史の同人誌 255
 7 阿伊染徳美と岩手 257

初出一覧 260 
あとがき 261