到来する沖縄  沖縄表象批判論

新城 郁夫

2,400円 +税

ISBN: 978-4-7554-0181-7        2007年11月発行

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炎上する沖縄で思索する
追いつめられた発話の淵で、「自己」を語ることは、そして沖縄を語ることは、いかにして可能か。日常の四囲に張り巡らされた「沖縄の自画像」の呪縛のなかで模索された最も新しい沖縄文学・思想論。


目次
序章 不可能としての「自画像」 5

第一部 反復帰・反国家論の現在 11
「にっぽんを逆さに吊す」──来るべき沖縄文学のために 12
沖縄・歌の反国家│新城貞夫の短歌と反復帰反国家論 34
沖縄でサイードを読む 52
『人類館』断想 59

第二部 日本語を裏切る 71
呼ばれたのか呼んだのか──デリダ『他者の単一言語使用』の縁をめぐって 72
「愛セヌモノ」へ──拾い集められるべき新城貞夫の歌のために 87
日本語を裏切る──又吉栄喜の小説における「日本語」の倒壊 98
沖縄を語ることの政治学にむけて 114

第三部 元「従軍慰安婦」問題と戦後沖縄文学 129
奪われた声の行方──「従軍慰安婦」から七〇年代沖縄文学を読み返す 130
文学のレイプ──戦後沖縄文学における「従軍慰安婦」表象 156

第四部 抵抗の現在 175
「日本復帰」への違和──境界を積極的に生きる勇気 178
炎上する沖縄で考える──米軍ヘリ墜落 182
資源化される沖縄の命 186
差別政策への抵抗 191
沖縄をめぐる「対話」の困難のなかから 198
沖縄戦を語る言葉の到来 202
反省そして抵抗の再創造 206
国家暴力に抗する──私たちが生き残るために 213
軍事支配の病理 217
日米「合意」と沖縄 221
沖縄は「合意」の暴力を拒絶する──日本という「国家」からの離脱に向けて 225

あとがき 238
初出一覧 245